森田の映画記録

観た映画を記録していきます。

8 DOPE/ドープ! / リック・ファミュイワ

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これ以外にもいっぱい観てるんだけど書くのって大変なんだよなあ。ネットフリックスのトップページにあったから観た作品。前評判とかなしに見始めたけどすごく面白かった。

 

プロデューサーがファレル・ウィリアムズで、ヒドゥンフィギュアズ・・・あれ?邦題なんだっけ。ドリームそうそうドリーム。もそうだったけど彼がプロデュースしてるときってもうMVかよと思わせるイケイケの音楽と映像で最高じゃないか最高じゃないか(2回言う)って感じですよね。

 

 

なんかこう、Ain't shitな感じのわらしべ長者であった。ポリコレを感じさせないぐらいナチュラルに「人を傷つける描写」がカットされていて、観ていて安心だった。「普通に面白い」っていう評価が割とあるんだけど、今の時代「普通に面白い」映画って見つけるの難しいんだよね。「くだらない笑い」が強烈なミソジニーであるとかってありがちだし。くだらない映画を観たいのに真顔になっちゃうとかよくある。でもDOPE! はパーフェクトに「娯楽」映画でした。かなりおすすめ。あとは個人的に、ブラックの英語が好きなので耳が幸せだったです。

 

あらすじ。

主人公はL.A.のスラム街の高校生マルコム。激しいスラム街で生きていて、どれぐらいやばいかというと、学校からの帰り道を選ぶときに、殺される可能性のある道を選ぶか、より一層殺される可能性のある道を選ぶかで悩む、みたいな感じ。

 

彼はハーバード大学に進学したいと思っていて、すっごい頭がよくて、多分学力だけだったらハーバードに行ける。でもスラム街だから、「ハーバード行きたい」とか言うと先生に「お前は傲慢だな」って怒られたりする。

 

 

マルコムは90年代のヒップホップがめちゃ好きで、服装も奇抜(でもオシャレやぞ、「オタク」って紹介されてるのすごい違和感ある、いわゆるナードっぽい感じではない。

 

いつも三人組で行動してて、一人は普通に男の子なんだけど、もう一人はレズビアンのディギーって名前の女の子で、かなりボーイズライクな格好をしてる。びっくりしたんだけど、ディギーが女だということが全くストーリー内で利用されない。かなり革命的だなと思った。今まで観たことのあるいろんな映画について考えてみてほしいんだけど、3人組で、一人だけ性別の違う子が入ってるジュブナイル系(しかも高校生)で、なのにみんな仲良しでワイワイやってる、扱いに差が一切ない、みたいなの、観たことあります? しかも視聴者側にも「こいつ女だからな〜」って感じるところがない。たんたんと重要な登場人物してるだけ。すごいな〜! と思った。

 

ある日、「より殺される可能性の高い道」を選んで帰ったマルコムは、麻薬のディーラーに絡まれる。めっちゃビビりながらも、ディーラーにヒップホップ話を振られてしまったので、オタとしてオタ話をしないわけにはいかずオタオタとオタ話をしたところ、ディーラーに気に入られてしまう。「あのビルに美人がいて、俺が会いたいって言ってるって話してこい」って言われる。その美人はナキアっていう名前で、ディーラーとは複雑な関係で、今はちょっと仲が悪くなってる、というのも、ナキアは麻薬でお金稼ぐのとかマジでやめろとマジギレしてるから。

 

ナキアは勉強して大学に行きたい。でも高校に通ってないから、高卒認定を取ろうと思ってる。云々。

 

で、ドムはナキアをパーティに誘うんだけど、ナキアは「じゃあマルコムが来るなら行く」って言う。というわけで、マルコムは前述の三人組でパーティに行くんだけど、そこでドムは麻薬の取引をしていて、それがバレて殺し合いになる。クラブハウスで銃がバンバン撃たれて、みんなが逃げ惑って、パニックの中、ドムがマルコムのリュックの中に30キロぐらいある大量の麻薬を入れてしまった。

 

というわけで、翌日それに気が付いたマルコムは、これをどうすればいいんだよ、と悩む・・・みたいな話。

 

 

ナキアはファムファタール的な役割なんだけど、ナキアは映画にほとんど出てこない。主人公が成長するのは麻薬の処理によって。いいね〜。恋愛ってそういうものであるべきだよね。

 

 

ハノーバー高校落書き事件簿とかと同じように「人をレッテルで決めること」っていうのが主題。ハノーバー高校はかなりシリアスな雰囲気だったけど、こっちは娯楽作品。やっぱり映画はもうブラックの時代ってことでいいんじゃないですか? ホワイト向けの映画作品って「面白かったけどここがちょっと残念」っていうの絶対あるもん。