森田の映画記録

観た映画を記録していきます。

6 大統領の陰謀/アラン・J・パクラ

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無知すぎてウォーターゲート事件について何も知らないままペンタゴン・ペーパーズを観ようとしており、慌てて観ました。

 

ウォーターゲート事件:1972年。

 当時の大統領であったニクソン大統領の陣営(共和党)が、再選するために、対立候補民主党)陣営の本部に侵入・盗聴器を設置しようとして捕まる。共和党陣営はこの同事実を揉み消けそうと画策した。

 ニクソン陣営は盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅などを行った結果、それがメディアに晒され、大統領弾劾発議をうけ、大統領辞任。

 ここまでの一連の流れをウォーターゲート事件という。

※弾劾(だんがい):身分が保障された官職にある者を、義務違反や非行などの事由で、議会の訴追によって罷免し、処罰する手続き。要するに「大統領やめろ!」てことか。ちなみに、ニクソンは弾劾を受けたものの、実際に弾劾される前に辞任したので弾劾はされていない。

 

 で、これを暴いたメディアがワシントン・ポストだったのだけど、彼らがどうやって真実にたどり着いたのか、というもの。

 まあ観る側は主人公たちに正義があるということが分かってるから安心して観られるよね(この映画撮られたの1976年だから、1972年の事件を4年後にもう映画にしてるのか。ホットな時期に振り返っておこうということかな)。

 

 これね、なんかね、上司がすごい優しかった。主人公がニクソンのお付きの人? みたいな人の名前が分からなくて上司に「○○って人誰ですか?」って聞いたら、呆れつつも「こういう人やぞ」って教えてくれたり、

 別の上司は「お前の文章、ちょっとどうかなってところがあったから、俺が『こうしたらどうかな?』ってやつを書き直してやったで、見比べてみ。でも、お前が自分のやつのほうがいいって思うなら、お前の原稿を新聞には掲載するで」とか。

事件についても、基本的に上司が聞くのは「ばかみたいだからやめろ」とか「そんなことしたら新聞社潰れるやろやめろ」とかじゃなくて「一面に出しても大丈夫なぐらい裏は取れてるのか?」なんだよね。いい上司たちがいっぱいいる。人間関係のストレスが一切なくてホッコリする映画だった。

 

しかし、不思議だったのは、この映画はまさにウォーターゲート事件について扱ってる事件なんだけど、映画を観ても「結局なにがヤバくて、何を隠したかったんだっけ?」っていうのが、だんだん分からなくなってくるというか、関わってる人がいっぱいいて、膨大で、命とかをかけてまで守ってるものが(言っちゃ悪いけど)たかが盗聴。こんなに壮大な感じで守ってるものが、たかが一人の男をもう一度大統領にさせるということっていうか。なんか、いや大統領に再選されるっていうのは大変なことなんだけど。でも、観れば観るほど、「真実にたどり着く」っていうところでは筋が通ってるんだけど、なんというか、それで結局これってなんなんだろうってなるというか。

 

 でもモリカケなんてもっとくだらねーよな・・・。朝日新聞もこんな感じで緊迫してたのかなあとちょっと思った。

 

 映画に出てくる内部密告者である「ディープ・スロート」は、ニクソンが辞任したあとも誰だったのか分からなかったみたい。だからこそ、ウォーターゲート事件は神話化したのだと。事件から33年経った2005年に初めて自分が密告者であると公表したらしい。

 

 しかし私こういう勉強になる系の映画って大好き、時間を無駄にした感じがしないから。

 

自分用メモ。ニクソン大統領・ウォーターゲート事件についての映画

フロスト×ニクソン (字幕版)

ザ・シークレットマン